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HEALTH WORDS / 用語解説

標的遺伝子

Target gene

標的遺伝子とは、薬物、転写因子、マイクロRNAなどの分子が特異的に作用し、その発現や機能が調節される対象となる遺伝子のことである1。分子生物学や薬理学などの研究において、特定の生体現象のメカニズムを解明するためや、新しい治療薬の効果を検証するための重要な目印となる。

分子標的薬の開発においては、疾患の原因に関与する特定のタンパク質をコードする遺伝子が標的遺伝子として選定される2。例えば、がん細胞の増殖や生存に不可欠な分子を阻害することで、正常な細胞への影響を最小限に抑えつつ治療効果を得ることを目指す。このような創薬研究では、ゲノム解析やトランスクリプトーム解析などの網羅的な手法を用いて、疾患特異的な標的遺伝子を同定することが行われる。

また、遺伝子発現の調節機構を研究する上でも標的遺伝子の特定は不可欠である。特定の転写因子がDNA上のどこに結合し、どの遺伝子の転写を活性化あるいは抑制するのかを調べることで、細胞内の複雑なシグナル伝達ネットワークを明らかにすることができる。さらに、RNA干渉を利用した実験やゲノム編集技術においても、意図した遺伝子のみを特異的にノックダウンあるいは変異させるための標的遺伝子の設定が極めて重要となる。

参考文献・出典

  1. NBDC疾患ゲノム解析用語ファシリテーションツール: https://integbio.jp/dbcatalog/huts/terms/%E6%A8%99%E7%9A%84%E9%81%BA%F0%9F%A7%80%E5%AD%90 ↩
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/00109594.pdf ↩