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HEALTH WORDS / 用語解説

GCN2

General Control Nonderepressible 2

GCN2とは、アミノ酸欠乏などのストレスに応答して真核生物の翻訳制御や遺伝子発現を調節するセリン・トレオニンキナーゼの一種であるタンパク質キナーゼである。1

GCN2は、細胞内のアミノ酸枯渇によって生じる脱アシル化tRNAの増加を感知して活性化する酵素である。2 細胞がアミノ酸不足に陥ると、アミノ酸と結合していないtRNAが蓄積し、これがGcn2タンパク質の調節ドメインに結合することで、そのキナーゼ活性が誘導される仕組みになっている。3

活性化したGCN2は、真核生物翻訳開始因子であるeIF2のαサブユニット(eIF2α)をリン酸化する。1 eIF2αがリン酸化されると、通常型の翻訳開始複合体の形成が阻害されるため、細胞内全体のタンパク質合成が一時的に抑制され、アミノ酸の消費が節約される。2

一方で、この翻訳抑制とは逆に、特定のストレス応答性転写因子であるATF4などの翻訳はむしろ効率的に促進される。3 ATF4は、アミノ酸の生合成や代謝、抗酸化応答、小胞体ストレス軽減などに関与する様々な遺伝子群の転写を活性化し、細胞が過酷な栄養環境に適応して生存するための統合的ストレス応答を仲介する。1

GCN2を中心とするこのシグナル伝達経路は、酵母から哺乳類に至るまで高度に保存されている。2 生体内における恒常性維持において極めて重要な役割を果たしており、栄養障害やウイルス感染、腫瘍微小環境などの多様な病態生理学的プロセスへの関与が研究されている。3

参考文献・出典

  1. National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/440543 ↩1 ↩2 ↩3
  2. 蛋白質核酸酵素: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/GCN2 ↩1 ↩2 ↩3
  3. 医中誌Web: https://doi.org/10.14952/cularmed.2018.06.01_03 ↩1 ↩2 ↩3