HEALTH WORDS / 用語解説
IGFBP
Insulin-like growth factor-binding protein
IGFBPとは、インスリン様成長因子(IGF)に特異的に結合するタンパク質ファミリーの総称である。1
IGFBPファミリーは、ヒトを含む脊椎動物においてIGF(IGF-1およびIGF-2)の血中動態や組織移行を制御する重要な役割を担っている。2
血液中や組織間液中において、大部分のIGFは遊離した状態ではなく、IGFBPおよび酸不安定性サブユニット(ALS)と三者複合体を形成して存在している。2
この結合により、IGFが血管内皮から組織へ移行しやすくなったり、血中での半減期が延長されたりするなど、IGFの代謝やクリアランスが調節されている。1
これまでに哺乳動物においては、構造的に関連する6種類の主要なIGFBP(IGFBP-1からIGFBP-6まで)が同定され、それぞれの遺伝子がクローニングされている。2
これらのIGFBPは、それぞれ異なる組織分布や発現調節機構を持ち、IGF受容体への結合を阻害あるいは促進することによって、IGFの生物活性を細やかに修飾している。1
さらに、古典的な6種類のIGFBPに加えて、これらと相同性を示すIGFBP関連タンパク質(IGFBP-rP)ファミリーも存在し、IGF非依存的な作用も含めた多様な生理作用が研究されている。2
IGFBPの機能は単なるIGFの運搬体にとどまらず、細胞増殖、細胞分化、アポトーシスなどの様々な細胞応答の制御に関与している。1
特に悪性腫瘍の進展や代謝疾患、内分泌疾患などの病態生理学的なプロセスにおいても、IGFBPの血中濃度や組織内での発現変動が重要な意義を持つことが多くの研究で示されている。2