HEALTH WORDS / 用語解説
TNFRSF10A
TNFRSF10A
TNFRSF10Aとは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーに属する細胞膜受容体の一つであり、アポトーシス誘導シグナルを伝達するタンパク質をコードする遺伝子およびその遺伝子産物である。1
別名としてDR4(Death Receptor 4)やCD261とも呼ばれており、TRAIL(TNF-related apoptosis-inducing ligand)の受容体として機能する。2
この受容体は細胞外ドメイン、膜貫通領域、および細胞質ドメインから構成されており、細胞質側にはデスドメインと呼ばれる特徴的な構造を持っている。1
TRAILなどのリガンドがTNFRSF10Aに結合すると、受容体の三量体化が引き起こされ、細胞質側のデスドメインを介してFADDなどのアダプタータンパク質がリクルートされる。2
これによりカスパーゼ-8やカスパーゼ-10といったタンパク質分解酵素が活性化され、下流のカスパーゼカスケードを経て細胞のアポトーシスが誘導される仕組みとなっている。1
TNFRSF10A遺伝子はヒトにおいて8番染色体の短腕(8p21.3)に位置しており、様々な正常組織の細胞表面で広く発現していることが確認されている。2
がん細胞の中には、TRAILを介したアポトーシスシグナルを利用して増殖を抑制できるものが存在するため、TNFRSF10Aは腫瘍免疫学や分子標的薬の開発において重要な標的分子の一つとして研究されている。1
特に、TNFRSF10Aを特異的に刺激するアゴニスト抗体やリガンド製剤を用いることで、正常細胞への毒性を抑えつつ悪性腫瘍細胞に特異的な細胞死を誘導する治療戦略が検討されてきた。2
また、TNFRSF10A遺伝子における変異や発現変動が、特定の腫瘍の発生や治療抵抗性に関与している可能性についても解析が進められている。1