HEALTH WORDS / 用語解説
UGT2B7
UGT2B7
UGT2B7とは、主として肝臓や腎臓などの組織において内因性物質や薬物のグルクロン酸抱合を触媒するUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)ファミリーの主要なアイソザイムの一つである。1
UGT2B7遺伝子はヒトの第4染色体長腕(4q13例外領域近傍など)に位置しており、UGT2ファミリーに属する酵素をコードしている。1
本酵素は、生体の解毒機構および薬物動態において極めて重要な役割を担っており、脂溶性の化合物や代謝物に親水性のグルクロン酸を結合させることで、尿や胆汁中への排泄を促進する働きを持つ。1
臨床薬理学的には、UGT2B7はオピオイド系鎮痛薬(モルヒネなど)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、抗悪性腫瘍薬などの多岐にわたる医薬品の代謝に関与していることが知られている。2
特にモルヒネの代謝においては、UGT2B7がモルヒネ-6-グルクロン酸やモルヒネ-3-グルクロン酸への変換を仲介するため、薬効の発現や副作用の強さに直接的な影響を与える因子として注目されている。2
また、薬物だけでなく、ステロイドホルモンや胆汁酸といった内因性基質の代謝や恒常性維持にも深く関与していることが明らかにされている。1
UGT2B7の発現量や酵素活性には大きな個体差が存在し、その要因としては遺伝子多型(SNPなど)や、他の薬物による誘導・阻害などが挙げられる。2
これら遺伝的背景や環境要因による活性の変動は、投与された薬物の血中濃度やクリアランスを変化させ、個人差のある薬効不全や毒性発現のリスクにつながるため、個別化医療の分野においても重要な研究対象となっている。2