レクチン(lectin) †
1954年に発見された、細胞内外に存在する糖鎖を認識するタンパク質。ラテン語の「legere」が語源。意味は「〜を選択する」。赤血球を凝集させる物質として植物から発見され、当初はヘマグルチニン(植物凝集素、血球凝集素)と呼ばれた。*1*2*3
カビやキノコ、ヘビ毒など外来性のレクチンのほとんどは赤血球を凝集する作用を持つ。ヒトの体内にもセレクチンなどのレクチンが100種類以上存在する。*4
レクチンとは、赤血球や糖質複合体などを凝集させる糖結合タンパク質の総称であり、特に糖鎖結合部位を少なくとも2つ以上もつものとされている。レクチンはこれまでに植物、細菌、噛乳動物など生物界において広く見出されているが、赤血球凝集活性の他にも、アポトーシス誘導免疫グロブリン産生調節がん細胞特異的凝集活性など、種によって様々な機能を発揮している。*5
リンパ球に対してマイトジェン活性を持つ。細菌や寄生虫の細胞表面にあるレクチンは、腸管の上皮細胞に付着しこれらの感染に関わる。
レクチンの種類 †
糖鎖を認識するドメインの持ち方によって以下のように分類される。*6
また、認識にカルシウムを必要とするものをC型レクチン、遊離のチオール基を必要とするものをS型レクチンなど、認識に必要な分子によって様々な種類に分類される。
*1糖鎖の生命分子科学 | 分子科学研究所: https://www.ims.ac.jp/public/vanguard/research-63.html
*2Lectins: production and practical applications: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3016214/
*3京都大学化学研究所 教授 畑安雄 植物型レクチンの特異な高次構造と多機能発現機構に関する蛋白質工学的研究: https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/78019/1/d235.pdf
*4筑波大学|お知らせ・情報|注目の研究|膵がん細胞表面の糖鎖をレクチン融合薬で狙い撃ち ~ ポスト抗体医薬としての新規抗がん治療法開発へ ~: http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/170922oda-1.pdf
*5京都大学化学研究所 教授 畑安雄 植物型レクチンの特異な高次構造と多機能発現機構に関する蛋白質工学的研究
*6創価大学 eLearning of glycomics: http://rings.t.soka.ac.jp/help/intro/page3-2.html
*2Lectins: production and practical applications: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3016214/
*3京都大学化学研究所 教授 畑安雄 植物型レクチンの特異な高次構造と多機能発現機構に関する蛋白質工学的研究: https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/78019/1/d235.pdf
*4筑波大学|お知らせ・情報|注目の研究|膵がん細胞表面の糖鎖をレクチン融合薬で狙い撃ち ~ ポスト抗体医薬としての新規抗がん治療法開発へ ~: http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/170922oda-1.pdf
*5京都大学化学研究所 教授 畑安雄 植物型レクチンの特異な高次構造と多機能発現機構に関する蛋白質工学的研究
*6創価大学 eLearning of glycomics: http://rings.t.soka.ac.jp/help/intro/page3-2.html
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このページの最終更新日時: 2018-09-10 (月) 12:28:08