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HEALTH WORDS / 用語解説

α-L-イズロニダーゼ

alpha-L-iduronidase

α-L-イズロニダーゼとは、ヒトゲノム上の4p16.3に位置するIDUA遺伝子にコードされる、ライソゾーム内の加水分解酵素の一種である。1

本酵素は、グリコサミノグリカン(旧称 ムコ多糖)の一種であるデルマタン硫酸およびヘパラン硫酸の非還元末端にあるα-L-イズロン酸残基の加水分解を触媒する働きを持つ。2

IDUA遺伝子における変異や欠損が生じると、α-L-イズロニダーゼの酵素活性が著しく低下または消失し、その結果として基質であるデルマタン硫酸およびヘパラン硫酸が細胞内のライソゾーム内に完全に分解されずに蓄積することになる。3

このようなライソゾーム内へのグリコサミノグリカンの蓄積を主たる病態とする先天性の代謝異常症はムコ多糖症I型(MPS I)と呼ばれており、臨床像の重篤度に応じてハーラー症候群、ハーラー・シャイ症候群、シャイ症候群などの病型に分類される。3

ムコ多糖症I型は、常染色体劣性遺伝形式をとる遺伝性疾患であり、顔貌の粗造、骨・関節異常(多発性骨異形成症)、角膜混濁、肝脾腫、心血管障害、そして中枢神経系の障害など、全身の多臓器にわたる進行性の多彩な臨床症状を引き起こす。3

本疾患に対する治療法としては、不足している酵素を外部から投与する酵素補充療法や、造血幹細胞移植などが臨床現場において実施されており、病態の改善や症状の進行抑制を図るアプローチがおこなわれている。3

参考文献・出典

  1. KEGG GENES: human IDUA: https://www.kegg.jp/dbget-bin/www_bget?hsa:3425 ↩
  2. KEGG ENZYME: 3.2.1.76: https://www.kegg.jp/entry/ec:3.2.1.76 ↩
  3. KEGG DISEASE: Mucopolysaccharidosis type I: https://www.kegg.jp/entry/H00122 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4