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HEALTH WORDS / 用語解説

アポリポ蛋白AⅡ

Apolipoprotein A-II

アポリポ蛋白A-II(A-II、ApoA-II)とは、ヒト血漿中においてHDL(高比重リポ蛋白)の主要な構成分子の一つであるアポリポ蛋白である。1

アポリポ蛋白A-IIは主として肝臓および小腸で合成され、血中ではHDLの表面に存在してその構造の維持や代謝に関与している。2

血中における主なリポ蛋白にはHDLのほか、LDL、VLDL、カイロミクロンなどがあり、それぞれコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質を全身の組織や器官へと運搬する役割を担っている。3

その中でHDLは、末梢組織から余分なコレステロールを回収して肝臓へと逆転送する重要な働きを持っており、動脈硬化の進展を抑制する防御的な機能を有していると考えられている。4

アポリポ蛋白A-IIは、HDLのもう一つの主要な構成タンパク質であるアポリポ蛋白A-I(A-I)に次いで血中濃度が高く、HDLの粒子サイズや脂質代謝の調節、さらには酵素であるLCAT(レシチン・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ)の活性制御などにおいて重要な役割を果たしている。5

臨床検査の分野においては、血中のアポリポ蛋白A-II濃度やアポリポ蛋白A-Iとの比率を測定することが、脂質異常症(高脂血症)の病態把握や動脈硬化性疾患のリスク評価において補助的な指標として利用されることがある。6

血清中の脂質異常は脂質代謝異常症を引き起こし、長期間放置されると血管の内皮にプラークが形成されて動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な心血管疾患の発症リスクを高める要因となるため、生活習慣病の予防や管理の観点から血中脂質や関連する蛋白質の変動に注意が払われる。7

このように、アポリポ蛋白A-IIは単なる構造タンパク質にとどまらず、脂質の運搬や代謝、抗動脈硬化作用を持つHDLの機能に深く関与している生体内の重要な分子である。2

参考文献・出典

  1. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-004.html ↩
  2. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/sustainability/ja/professional/内分泌疾患-および-代謝疾患/脂質代謝異常/脂質代謝の概要 ↩1 ↩2
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-005.html ↩
  4. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-006.html ↩
  5. 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部: https://www.nihs.go.jp/DSIC/index.html ↩
  6. 厚生労働省 医療情報システム: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/index.html ↩
  7. e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-075.html ↩