HEALTH WORDS / 用語解説
イラクサ
Nettle
イラクサとは、イラクサ科イラクサ属(Urtica)に分類される植物の総称であり、主に多年草または一年草として世界の温帯地域を中心に広く分布している分類群である。1
イラクサ属の植物の多くは、茎や葉の表面に刺毛(しもう)と呼ばれる中空の微細な毛を多数有しているという特徴的な形態学的構造を持っている。2
この刺毛の先端部は非常に繊細であり、動物や人間が接触すると容易に皮膚に突き刺さる構造となっている。2
刺毛が皮膚に突き刺さると同時にその先端が折れ、内部に蓄えられていた化学物質が注入される仕組みになっている。2
この注入される毒素や成分にはヒスタミンやアセチルコリン、セロトニン、ギ酸などが含まれており、これが原因となって激しい痛みやかゆみ、発赤、腫れなどの炎症反応を皮膚に引き起こす。2
このような防御機構を発達させることで、イラクサは草食動物による食害から自身の身体を保護していると考えられている。2
一方で、イラクサの若葉や茎は適切な加熱調理や乾燥処理を行うことで毒性が失われるため、歴史的に世界各地で山菜や野草として食用に利用されてきた経緯がある。2
ヨーロッパなどの地域では、春先の栄養価の高い食材としてスープやハーブティーなどに加工され、民間療法においても利用されてきた歴史が存在する。2
また、一部の種からは茎の繊維を利用して糸や布を製造するための素材としても活用されるなど、人類の生活と密接な関わりを持ってきた植物群である。1