ホームエーテル硫酸抱合体

HEALTH WORDS / 用語解説

エーテル硫酸抱合体

Ether sulfate conjugate

エーテル硫酸抱合体とは、フェノール性水酸基やアルコール性水酸基を持つ化合物に硫酸基が結合した代謝物の一種である。1 生体内における異物やホルモンなどの解毒および排泄を促進するための主要な第II相代謝反応(抱合反応)の産物として知られている。2

生物の肝臓などの組織において、フェノール化合物やアルコール類、あるいは一部のステロイドホルモンといった基質に対し、スルホotransferase(硫酸転移酵素)が活性化硫酸である3'-ホスホアデノシン-5'-ホスホ硫酸(PAPS)から硫酸基を転移させることでエーテル硫酸抱合体が生成される。2 この酵素反応を通じて、脂溶性が高くそのままでは体外へ排泄されにくい物質が、極性の高い硫酸基が付加されることで水溶性に変化する。1 水溶性が高まったエーテル硫酸抱合体は血流に乗って腎臓へと運ばれ、尿中へ速やかに排泄されるか、あるいは胆汁を介して糞便中へと排泄される性質を持つ。2

薬物代謝の観点において、硫酸抱合は多くの薬物や環境化学物質、内因性物質の不活性化と体外排泄に重要な役割を果たしている。2 一般的にグルクロン酸抱合など他の抱合反応と比較して、硫酸抱合は低濃度な基質に対して高い親和性を示す一方で、補酵素であるPAPSの供給量に限りがあるため容量依存的に飽和しやすいという特徴がある。2 また、生成されたエーテル硫酸抱合体の中には、化学的性質や標的組織の酵素環境によっては再び活性を持った中間体へと戻る可逆性を示すものや、特異的な毒性の発現に関与する場合もあるため、薬物動態学や毒性学の研究において重要な分析対象となっている。2

参考文献・出典

  1. eJudo: https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-index/36109/1/iji010041.pdf ↩1 ↩2
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/49/11/49_1078/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6