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HEALTH WORDS / 用語解説

シトロバクター・フロインディー

Citrobacter freundii

シトロバクター・フロインディーは、健康な人間の腸管や動物の消化管をはじめ、土壌、水、下水などの自然環境にも広く常在菌として存在している日和見感染症の原因菌の一つである。1

通常、免疫機能が正常な宿主に対しては無害であるが、宿主の免疫力が低下している場合や、日和見感染を引き起こす状況下では、日和見病原体として様々な感染症を引き起こすことがある。2

臨床現場においては、院内感染(病院内感染)の原因菌として知られており、尿路感染症、肺炎、腹膜炎、敗血症、髄膜炎、膿瘍などの化膿性炎症を引き起こすことがある。1

特に新生児や乳幼児、高齢者、あるいは免疫不全状態にある患者や抗菌薬の長期投与を受けている患者において、重篤な感染症を誘発するリスクが高まることが指摘されている。2

本菌は、アミノ酸の一種であるメチオニンの代謝に関与する酵素や、システインを分解する酵素などを有しており、生化学的な性状としてクエン酸を利用する能力を持つことがシトロバクター属の大きな特徴である。3

鑑別診断においては、糖の発酵形式や生化学的性状テスト(IMViCテストなど)を用いて他の腸内細菌、例えば大腸菌やサルモネラ属などと区別される。1

治療の際には、シトロバクター・フロインディーが薬剤耐性、特にペニシリン系やセファロスポリン系の抗菌薬に対して耐性を示す遺伝子を保有している場合や、治療経過中に AmpCベータラクタマーゼ などを誘導して耐性を獲得することがあるため注意が必要である。1

そのため、感染症の治療にあたっては、薬剤感受性試験を実施して効果的な抗菌薬を選択することが極めて重要であり、医療機関における厳重な院内感染対策や手指衛生の徹底が求められる。2

参考文献・出典

  1. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/iasr/24/278/de2782.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 東京都健康安全研究センター: https://www.tokyo-eiken.go.jp/kansen/tb/25-2/252-05/ ↩1 ↩2 ↩3
  3. 独立行政法人製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/sesaku/covid19_qa/qa_08.html ↩