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HEALTH WORDS / 用語解説

ゼブラフィッシュ

Zebrafish

ゼブラフィッシュとは、コイ目コイ科に分類される小型の淡水魚であり、モデル生物として発生生物学や遺伝学などの基礎生物学および医学研究において広く利用されている脊椎動物である。1

本種はインド原産で、体長は成魚でも約3〜5センチメートル程度と小さく、体側に美しい縞模様を持つことからゼブラフィッシュと呼ばれている。飼育が容易であり、世代時間が短く、かつ高い繁殖力を持つという実験動物としての優れた特性を備えている。1

ゼブラフィッシュが医学研究において極めて重要な地位を占める理由の一つとして、その胚および幼生が透明であることが挙げられる。受精卵から発生する過程や、体内の組織や器官の構造を、生体のまま顕微鏡を用いて観察することが可能である。1

また、ゲノムの塩基配列の解読が完了しており、ヒトの遺伝子との間で高い相同性が確認されている。このため、ヒトの遺伝性疾患やがんなどの病態モデルを作製し、疾患のメカニズムを解明するための研究に多用されている。2

さらに、遺伝子組換え技術やゲノム編集技術を用いた遺伝子機能の解析手法が確立されている。特定の遺伝子を破壊あるいは発現させることで、個体の発生異常や代謝変化を詳細に調べる実験が行われている。1

近年では、創薬研究におけるスクリーニングにも活用されている。大量の化合物を投与して生体への毒性や薬効を評価する試験において、小型で多数の個体を同時に飼育できるゼブラフィッシュは非常に効率的な実験系を提供している。2

加えて、組織の再生能力が非常に高いことも特徴の一つである。心筋や神経、ヒレなどが損傷を受けた際に、それを修復して再生する能力を持っているため、再生医学の分野においても重要な研究対象となっている。1

参考文献・出典

  1. 国立遺伝学研究所 モデル生物紹介 ゼブラフィッシュ: https://www.nig.ac.jp/nig/ja/research/introduction/model-organisms/zebrafish ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 理化学研究所 脳神経科学研究センター ゼブラフィッシュ受容・行動研究チーム: https://bdr.riken.jp/jp/research/labs/kuroyanagi-h/index.html ↩1 ↩2