HEALTH WORDS / 用語解説
タバコ煙
Tobacco smoke
タバコ煙とは、タバコの葉や加工品が不完全燃焼を起こすことにより発生する、数千種類もの化学物質を含む複雑な混合気体および微粒子の総称である。1
タバコ煙は大きく分けて、点火部から直接立ち昇る主流煙と、喫煙者が吸い込む煙、およびタバコ先端から自然に立ち上る副流煙の環境中に拡散したものである呼出煙や残留成分を含めた環境たばこ煙(受動喫煙で問題となる煙)が存在する。1
タバコ煙の成分には、ニコチン、タール、一酸化炭素といった代表的な有害物質のほか、ホルムアルデヒド、ベンゼン、カドミウムなどの発がん物質や有害物質が多数含まれていることが国立がん研究センターなどの研究により明らかにされている。2
主流煙と副流煙を比較した場合、副流煙には主流煙よりも高濃度の有害成分や発がん性物質が含まれていることが多く、これは低温での不完全燃焼によって生成されるためである。1
タバコ煙に含まれるニコチンは強力な依存性を引き起こすアルカロイドであり、中枢神経系に作用してドーパミンの分泌を促すことで喫煙習慣やニコチン依存症を形成する主たる要因となる。3
また、タバコ煙に含まれる一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすく、酸素運搬能力を低下させるため、組織や臓器の低酸素状態を引き起こし循環器疾患のリスクを高める。4
タバコ煙の吸引や受動喫煙は、肺癌をはじめとする各種悪性腫瘍の発症リスクを著しく増大させるだけでなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や虚血性心疾患、脳卒中などの重大な健康被害の原因となることが世界保健機関(WHO)や国内外の公的機関によって報告されている。5
近年の研究では、喫煙者が吐き出した煙や衣服、室内の壁や家具などに付着したタバコ煙の残留成分(いわゆる三次喫煙)からも有害物質が長期間にわたって放出され、健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。6
参考文献・出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-01-001.html ↩1 ↩2 ↩3
- 国立がん研究センター: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-01-002.html ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06-003.html ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-04-003.html ↩
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-01-011.html ↩