HEALTH WORDS / 用語解説
チオペンタール
Thiopental
チオペンタールとは、超短時間作用型のバルビツール酸系静脈麻酔薬であり、主として全身麻酔の導入や脳保護の目的に用いられる医薬品である。1
薬理学的には、中枢神経系のGABA_A受容体に作用して抑制性シナプス伝達を増強し、強力な麻酔作用および鎮静作用を示す。1
静脈内投与後、きわめて速やかに脳組織へ移行するため、数秒から数十秒という短時間で意識消失を引き起こすのが特徴である。2
その一方で、肝臓での代謝や脂肪組織への再分布を経て作用が消失するが、蓄積性があるため持続投与や大量投与時には覚醒遅延がおこる場合がある。2
臨床応用としては、外科手術における全身麻酔導入のほか、脳神経外科領域において[[脳代謝]]抑制や頭蓋内圧降下を目的とした脳保護療法、あるいは難治性てんかん重積発作に対するバルビツール酸療法としても使用されてきた。2
しかしながら、心血管系に対する強い抑制作用があり、血圧低下や心拍出量減少、呼吸抑制を引き起こすリスクが高い。2
また、血管外漏出による組織壊死や、急性間欠性ポルフィリン症の患者における症状増悪といった重大な副作用・禁忌が存在する。2
近年では、より循環動態への影響が少ないプロポフォールやエトミデートなどの他の静脈麻酔薬の普及に伴い、麻酔導入薬としての使用頻度は相対的に低下している。1
参考文献・出典
- KEGG DRUG: データベース: https://www.kegg.jp/entry/D00551 ↩1 ↩2 ↩3
- 医療用医薬品 : チオペンタールナトリウム: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057201 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5