HEALTH WORDS / 用語解説
テノホビル二リン酸
Tenofovir diphosphate
テノホビル二リン酸とは、逆転写酵素阻害薬であるテノホビルの細胞内活性代謝物であり、強力な抗ウイルス作用を示すヌクレオチド系逆転写酵素阻害薬の有効体である。1
本薬は、プロ薬であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩やテノホビル アラフェナミドが生体内に吸収された後、腸管や血液、細胞内での加水分解およびリン酸化の過程を経て生成される。1
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やB型肝炎ウイルス(HBV)の増殖過程において、ウイルスのDNA合成酵素である逆転写酵素またはDNAポリメラーゼの基質として競合的に作用する。1
テノホビル二リン酸がウイルスDNA鎖に取り込まれると、3位の水酸基が存在しない構造上の特徴からさらなるヌクレオチドの結合が不可能となり、DNA鎖の伸長を停止させることでウイルスの複製を特異的に抑制する。1
臨床医学および薬理学の分野では、HIV感染症の治療および発症予防を目的とした抗レトロウイルス療法(ART)や、B型肝炎の長期治療において中心的な役割を担う薬剤の薬効発現実体として極めて重要な位置を占めている。1
臨床薬理学的解析においては、末梢血単核球などの標的細胞内におけるテノホビル二リン酸の濃度動態を測定することが、薬物動態学的評価や服薬アドヒアランスの客観的指標として活用されることがある。2