HEALTH WORDS / 用語解説
プレシジョン・メディスン
Precision Medicine
プレシジョン・メディスンとは、日本語では精密医療や個別化医療とも呼ばれ、個々の患者の遺伝子、環境、生活習慣の違いを考慮に入れて、疾病の予防、診断、治療を最適化する医療アプローチのことである。1
従来の標準治療が、大勢の患者集団における平均的な反応に基づいて行われてきたのに対し、プレシジョン・メディスンでは、ゲノム科学をはじめとするオミックス解析技術の進展を背景に、個々の患者の分子レベルの特性に基づいた介入を行う点を特徴とする。2
特にがん治療の領域においてプレシジョン・メディスンの導入が進んでおり、腫瘍組織を用いた遺伝子パネル検査などのゲノム医療を通じて変異やバイオマーカーを網羅的に同定し、個々のがんの分子標的に適合した分子標的薬や免疫療法などの選択が行われる。3
さらに、プレシジョン・メディスンは単一遺伝病や難病の解明だけでなく、生活習慣病などの多因子疾患においても、個人の遺伝素因や腸内細菌叢、ウェアラブルデバイス等で得られる日々の臨床データを統合することで、発症前の予防的介入や予後予測の精度向上に寄与することが期待されている。4
参考文献・出典
- 厚生労働省 医療分野の研究開発推進: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokousei/iryou/other/index.html ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/precision_medicine/index.html ↩
- 国立がん研究センター 希少がんセンター: https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/precision_medicine/index.html ↩
- 内閣府 統合イノベーション戦略推進担当: https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20200616futsu.html ↩