HEALTH WORDS / 用語解説
ポリウレタン
ポリウレタンとは、ウレタン結合(-NH-COO-)を主鎖に持つ高分子化合物の総称であり、多種多様な合成樹脂、ゴム、繊維、発泡体として産業や医療など幅広い分野で利用されている物質である1。
ポリウレタンの製造における基本的な化学反応は、分子構造中に複数のイソシアネート基を持つ化合物(ポリイソシアネート)と、複数の水酸基を持つ化合物(ポリオール)との付加重合反応によって行われる2。
原料となるポリオールやポリイソシアネートの種類、および架橋構造の密度を変化させることにより、硬質プラスチックのような高い硬度を持つものから、柔軟なエラストマーや弾性繊維、あるいはスポンジ状の発泡体(フォーム)に至るまで、極めて多様な物性を持つ材料を設計することが可能となる2。
医療分野においては、その優れた生体適合性や柔軟性、耐摩耗性などの特性を活かして、カテーテル、人工血管、ペースメーカーのリード線被覆、整形外科用材料、さらには各種の医療用チューブやフィルムなどの医療機器の構成素材として広く採用されている3。
また、日常生活や工業用途の健康関連製品としても非常に身近な素材であり、寝具や車椅子用のクッション材、靴底のソール、衣類に使用されるストレッチ性の高いスパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)など、身体への負担を軽減し姿勢保持や運動機能を補助する製品に多用されている2。
一方で、ポリウレタン製品の製造工程や特定の条件下での熱分解においては、呼吸器に対して刺激性を示すイソシアネート化合物や有害物質が遊離する可能性があるため、労働安全衛生上の観点から適切な換気や化学物質管理が厳格に求められている4。
さらに、廃棄されたポリウレタン製品の環境中における挙動や、経年劣化によって生じるマイクロプラスチックに関する生態系への影響についても、近年の学術研究や公的機関による環境調査において継続的な安全性評価の対象となっている5。
参考文献・出典
- 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部: https://www.nihs.go.jp/ICSC/ichns/pdf/ichns1166.pdf ↩
- 独立行政法人 製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/data/000055263.pdf ↩1 ↩2 ↩3
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/files/000153406.pdf ↩
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/kensaku/anzenjyo/anzenjyo_vol_111.html ↩
- 独立行政法人 国立環境研究所: https://www.nies.go.jp/whatnew/2023/20230615/20230615.html ↩