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HEALTH WORDS / 用語解説

ポリープ様脈絡血管症

Polypoidal Choroidal Vasculopathy: PCV

ポリープ様脈絡血管症とは、網膜の下にある脈絡膜の血管異常により、網膜色素上皮の下にポリープ状の病変や異常な血管網(網脈絡膜血管異常)を形成する疾患である。1

本疾患は、日本の加齢黄斑変性患者の約半数を占める病型として知られており、特にアジア人に多く見られる特徴がある。1

脈絡膜の血管が拡張して末端にポリープ状の膨らみが形成されることが病態の本質であり、このポリープ状病変や異常な血管から血液成分や血漿成分が滲出することにより、網膜剥離や網膜色素上皮剥離を引き起こす。1

また、病変部からの出血が頻発しやすく、これが黄斑部に及ぶと急激な視力低下や中心暗点、変視症といった重篤な症状をきたす原因となる。1

典型的な眼底検査では、黄斑部にオレンジ色の隆起したポリープ状の病変と、それを結ぶ分枝状の血管網が確認される。2

診断においては、造影剤を用いた蛍光眼底造影検査やインドシアニングリーン蛍光眼底造影検査(ICGA)が非常に有用であり、特にICGAを用いることで脈絡膜の異常血管網やポリープ状病変を明瞭に描出することが可能となる。2

加えて、光干渉断層計(OCT)を用いることで、網膜の断面構造や網膜色素上皮の剥離状態、脈絡膜の厚さなどを非侵襲的に詳細評価することができる。2

治療法としては、血管新生を促進する生理活性物質である血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを阻害する抗VEGF療法(抗VEGF薬の硝子体内注射)が広く行われており、視力維持や出血・滲出液の軽減に高い効果を示している。1

さらに、ポリープ状病変自体の閉塞や破綻防止を目的として、光感受性物質を静脈内に投与した後に弱いレーザー光を照射する光線力学療法(PDT)が選択されることもあり、病態や血管の形状に応じて抗VEGF療法と単独あるいは併用して実施される。1

自然経過では出血や滲出の再発を繰り返すことが多く、黄斑機能に不可逆的な障害を残す危険性があるため、定期的な眼科受診と長期的な経過観察、および適切な治療介入が必要とされる疾患である。1

参考文献・出典

  1. 難病情報センター: https://www.nanbyo.or.jp/uploaded/search/pdf/5092.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 厚生労働省難治性疾患等政策研究事業: https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2014/142201/201418018B_upload/201418018B0003.pdf ↩1 ↩2 ↩3