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HEALTH WORDS / 用語解説

マクロファージ受容体

Macrophage Receptors

マクロファージ受容体とは、マクロファージの細胞膜上に発現し、自己と非自己の識別、病原体の認識、サイトカインの産生誘導、および食作用(ファゴサイトーシス)などの多様な免疫応答を仲介する膜タンパク質群の総称である。1

マクロファージは自然免疫系の中核を担う細胞であり、その表面には数多くの異なるクラスの受容体が存在している。これらはリガンドの特異性やシグナル伝達機構によって分類され、宿主防御や組織の恒常性維持において極めて重要な役割を果たしている。

代表的な受容体の一つとして、スカベンジャー受容体(Scavenger Receptors)が挙げられる。スカベンジャー受容体は、修飾LDLやアポトーシス細胞、さらには様々な細菌由来の成分などを幅広く認識して取り込む機能を持つ。動脈硬化の初期段階において、酸化LDLを取り込んだマクロファージが泡沫細胞へと変化する過程にも深く関与している。2

また、Toll様受容体(TLR)をはじめとするパターン認識受容体(PRR)もマクロファージ受容体の主要なグループを形成している。パターン認識受容体は、病原体関連分子パターン(PAMPs)と呼ばれる、微生物特異的な分子構造を特異的に感知する。例えば、リポ多糖(LPS)やペプチドグリカンといった細菌の構成成分が結合すると、NF-kBなどの転写因子が活性化され、炎症性サイトカインやケモカインの産生が強力に誘導される。これにより、生体の炎症応答や後続する獲得免疫の活性化が引き起こされる。3

さらに、糖鎖を認識するC型レクチン受容体もマクロファージの表面に多数発現している。これらは真菌の細胞壁成分やウイルスの糖タンパク質をとらえ、抗原提示や免疫調整において特異的な機能を果たす。補体受容体やFc受容体などもマクロファージ受容体として機能し、オプソニン化された病原体や免疫複合体を効率的に食作用によって排除する仕組みに寄与している。このように、多種多様なマクロファージ受容体が協調して働くことで、生体は複雑な感染症や異物の侵入から防御されている。1

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302213197992984 ↩1 ↩2
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907044949216093 ↩
  3. ライフサイエンス 新着論文レビュー: https://doi.org/10.7875/first.author.2012.030 ↩