ホームルイ=バー症候群

HEALTH WORDS / 用語解説

ルイ=バー症候群

ルイ=バー症候群とは、進行性の運動失調、毛細血管拡張症、および免疫不全を三主徴とする常染色体劣性遺伝性の遺伝性疾患であり、毛細血管拡張性運動失調症とも呼ばれる難病である。1

本症は、DNA二重鎖切断の修復や細胞周期の制御に関与するATM遺伝子の変異によって引き起こされる。1 ATM遺伝子の異常によりDNA修復機能が障害されるため、放射線や化学物質に対する感受性が著しく亢進し、染色体異常が引き起こされやすくなる特性を持つ。2

臨床的には、乳幼児期から歩行障害などの体幹・四肢の運動失調が顕著になり、眼球運動障害や構音障害などを伴うことが多い。1 また、目や耳の皮膚などの毛細血管が拡張して蜘蛛の巣状に見える毛細血管拡張症が、通常は眼球結膜や耳介などに現れる。1

免疫不全の合併により、反復性感染症、特に副鼻腔炎や肺炎などの呼吸器感染症を繰り返しやすい特徴がある。1 さらに、DNA損傷に対する修復機構の欠損に起因して、悪性腫瘍、特に白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍を発症するリスクが一般人口と比較して非常に高い。2

診断にあたっては、臨床症状の評価に加え、血清中の免疫グロブリン(特にIgAやIgE)の低下、アルファフェトプロテイン(AFP)の持続的な高値、および遺伝子解析によるATM遺伝子の変異確認が行われる。1

現時点では根本的な根治療法は確立されておらず、対症療法および合併症の管理が中心となる。1 感染症に対する抗菌薬の投与や免疫グロブリン補充療法、運動機能の維持を目的としたリハビリテーションなどが実施される。1

参考文献・出典

  1. 難病情報センター: https://www.nanbyou.or.jp/entry/4412 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
  2. 厚生労働省 医療情報ネット: https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1029-2a.html ↩1 ↩2