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HEALTH WORDS / 用語解説

侵襲性髄膜炎菌感染症

侵襲性髄膜炎菌感染症とは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)という細菌によって引き起こされる、極めて重篤で進行の早い感染症である。1 健康な人の鼻咽頭にも保菌されることがある常在菌の一種であるが、何らかの理由で血液中や髄液などの本来は菌が存在しない無菌的部位に侵入することによって発症する。2

本疾患の臨床的な特徴として、髄膜炎や敗血症を急激に引き起こすことが挙げられる。1 髄膜炎を発症した場合には、突然の発熱、激しい頭痛、嘔吐、項部硬直(首の後ろが硬くなる症状)、意識障害などが現れる。2 また、血液中に菌が広がる敗血症へと進展した場合は、急速なショック状態や播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こし、皮膚の紫斑や点状出血が観察されることがある。1 病状の進行が非常に早いため、適切な治療が遅れると死亡したり、四肢の壊死、聴力障害、神経学的後遺症などの重大な合併症を残したりすることがある。2

髄膜炎菌にはいくつかの血清群(A、B、C、W、Y、Xなど)が存在し、世界保健機関(WHO)などの公的機関によると地域や流行の状況によって主要な群が異なる。2 感染経路は、患者や保菌者の飛沫または唾液などとの密接な接触による飛沫感染および接触感染である。1 特に寮などの集団生活を送る環境において集団感染のリスクが高まることが知られている。2

診断には、血液や髄液などの検体を用いた細菌培養検査や遺伝子検査(PCR法)が用いられる。1 治療においては、疑い例の段階から迅速に適切な抗菌薬(ペニシリン系など)の投与を開始することが極めて重要である。2 予防の観点からは、ワクチン接種が有効な手段であり、髄膜炎菌ワクチン(結合型ワクチンなど)が流通している。1 我が国においては感染症法に基づく全数把握対象疾患(四類感染症)に指定されており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所へ届出を行う必要がある。2

参考文献・出典

  1. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennjouhou/459-meningococcal/all-meningococcal.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/b/hoken/suishin/kansen/dl/kansen07.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7