ホーム便秘型過敏性腸症候群

HEALTH WORDS / 用語解説

便秘型過敏性腸症候群

便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)とは、明らかな器質的疾患が認められないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感と、便秘を主とする排便異常が慢性的に持続する機能性消化管疾患の一種である。1

過敏性腸症候群(IBS)は、腸管の運動異常や内臓知覚過敏を主な病態として発症すると考えられている。2 その中でも便秘型は、ローマ基準などの国際的な診断基準に基づき、便秘の症状が全体の排便回数の一定割合以上を占める病型として分類される。3

発症の背景には、脳腸相関の変調が深く関与していることが指摘されている。2 ストレスや心理的負荷、生活習慣の乱れ、食生活の変化などが自律神経系を介して消化管に影響を及ぼし、腸管運動の低下や粘膜の知覚過敏を引き起こすことで症状が誘発・悪化する。1

主な症状としては、硬い便や兎糞状便の排出、排便困難感、残便感、腹部膨満感などが挙げられる。3 これらの症状は一時的なものではなく、数カ月以上にわたって反復するため、患者のQOL(生活の質)著しく低下させる要因となる。2

診断にあたっては、詳細な問診を行って他の消化器疾患を除外することが重要である。大腸癌や炎症性腸疾患などの器質的疾患の可能性を否定するため、必要に応じて内視鏡検査や血液検査などの臨床検査が実施される。2

治療法としては、生活習慣および食生活の改善が基本となる。規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動に加え、食物繊維の適切な摂取や水分補給が行われる。1

薬物療法においては、症状や病態に応じて様々な薬剤が用いられる。便秘の改善を目的とした下剤のほか、腸管運動を調節する薬剤や、内臓知覚過敏を和らげるための抗うつ薬などが選択されることがある。3 また、心理的要因が強い場合には心理療法が取り入れられることもある。2

参考文献・出典

  1. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-005.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 日本消化器病学会: https://www.jsge.or.jp/general/ibs-q-and-a ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/02-消化器疾患/過敏性腸症候群-ibs/過敏性腸症候群-ibs ↩1 ↩2 ↩3