HEALTH WORDS / 用語解説
微小転移
Micrometastasis
微小転移とは、一般的に顕微鏡的レベルにとどまる、肉眼や通常の画像診断では検出できない転移巣のことである。1
がんの原発巣から離れた臓器やリンパ節へ癌細胞が播種・定着した状態を指すが、そのサイズは通常2ミリメートル以下、あるいは単一の細胞から数百細胞程度の極めて小さな集簇として定義されることが多い。1
臨床的な画像検査(CT検査、MRI検査、PET検査など)や超音波検査では解像度の限界から発見することが不可能であり、手術時に摘出した組織を用いた病理組織学検査において、免疫組織化学染色や遺伝子検査などの特殊な手法を用いることで初めて検出されることが特徴である。2
癌の病期分類(ステージ)や予後予測において、センチネルリンパ節生検などで微小転移の有無を確認することは極めて重要な意義を持つ。1
肉眼的に転移が認められない臨床病期I期やII期の患者であっても、体内の微小な領域に微小転移が潜伏している場合があり、これが将来的な再発や遠隔転移を引き起こす主要な原因と考えられている。1
そのため、術後補助化学療法や分子標的薬を用いた薬物療法の適応を決定する上で、微小転移の存在リスクを評価することは治療方針の選択に直結する。1
近年の病理学および分子生物学の進歩により、循環腫瘍細胞(CTC)の検出やリキッドバイオプシーなどの技術が発展したことで、組織を直接採取しなくとも血液などの検体から微小転移の兆候や微小残存病変を捉える研究が進められている。1
これにより、従来の診断技術では捉えきれなかった微細な病変を早期に把握し、がんの復発を未然に防ぐための新たな治療戦略の開発が期待されている。1
参考文献・出典
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/micrometastasis.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/qa_LinkId/dic01/micrometastasis.html ↩