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HEALTH WORDS / 用語解説

水様性下痢

水様性下痢とは、糞便の水分量や便意の回数が異常に増加し、固形分をほとんど含まない水のような状態の排便が続く臨床症状のことである。1 急性下痢の多くはウイルスや細菌などの病原体による感染症が原因で引き起こされる。2

医学的な分類において下痢は、便中の水分含有量が正常値である約60〜85%を超えて著しく上昇した状態を指している。1 水様性下痢を呈する機序としては主に分泌性下痢や浸透圧性下痢などが関与しており、腸管粘膜からの電解質や水分の分泌が過剰になることや、小腸での水分吸収障害が生じることで発生する。1 感染性の原因としては、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染症、あるいは腸管毒素原性大腸菌やコレラ菌といった細菌が産生する毒素が腸上皮細胞に作用することが挙げられる。3

臨床現場における問診では、症状が発症した時期、便の性状、発熱や嘔吐などの随伴症状の有無、渡航歴、食事歴、および抗菌薬などの薬剤使用歴が詳細に確認される。1 特に水様性下痢が持続すると、大量の水分とナトリウムやカリウムなどの電解質が急速に体外へ失われるため、脱水症や電解質異常、さらには循環血漿量減少性ショックといった重大な合併症を引き起こすリスクが高まる。1 そのため、小児や高齢者、基礎疾患を有する患者においては特に厳重な全身管理が必要となる。2

治療の基本方針としては、失われた水分と電解質を速やかに補給する輸液療法や経口補水療法などの対症療法が最優先される。1 感染性下痢の経過中において、原因菌の排泄を遅らせることでかえって病態を悪化させる可能性があるため、むやみな止瀉薬(下痢止め)の使用には慎重な判断が求められる。1 細菌性腸炎が強く疑われる場合や重症例においては、便培養検査などの微生物学的検査を実施した上で、必要に応じて抗菌薬による薬物療法が検討される。1 予防の観点からは、徹底した手洗いや食品の中心温度の管理、衛生管理の徹底が極めて重要である。2

参考文献・出典

  1. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/19-消化器疾患/下痢と便秘/下痢 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8
  2. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html ↩1 ↩2 ↩3
  3. 国立感染症研究所: https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/425-rota-intro.html ↩