HEALTH WORDS / 用語解説
治療計画
Treatment Planning
治療計画とは、悪性腫瘍などの疾患に対して、放射線治療や外科手術などの医療行為を最も効果的かつ安全に実施するために、あらかじめその手順や方法、照射線量などを詳細に立案するプロセスのことである。1
現代の高度な放射線治療領域における治療計画は、患者個別の解剖学的構造や腫瘍の広がりを正確に把握することから開始される。 そのため、コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子放射断層撮影(PET)などの画像診断機器を用いて得られた三次元的な画像データが不可欠となる。2
医師、医学物理士、診療放射線技師などの多職種から構成される医療チームが協働し、放射線治療計画装置(TPS: Treatment Planning System)と呼ばれる専用のコンピュータシステムを用いて具体的な計画を策定する。3
治療計画の最大の目的は、腫瘍組織に対しては根治または症状緩和に必要な十分な線量を集中させつつ、近接する正常組織やリスク臓器(Critical Organs)への被ばく線量を許容限度内に抑えることにある。 これにより、放射線治療に伴う副作用や合併症のリスクを可能な限り低減し、患者のQOL(生活の質)を維持・向上させることが可能となる。4
近年では、強度変調放射線治療(IMRT)や体位固定精度を向上させる画像誘導放射線治療(IGRT)などの高度な技術の普及に伴い、治療計画のプロセスはますます複雑化・高度化している。 それに伴い、線量分布の最適化計算において人工知能(AI)やアルゴリズムを活用する試みも進められており、より迅速かつ精度の高い治療計画の作成が期待されている。5
参考文献・出典
- 国立がん研究センター 放射線治療用語集: https://www.ganjoho.jp/med_pro/term_dict/080.html ↩
- 厚生労働省 医療技術評価分科会: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Koukanteiseika/0000056767.pdf ↩
- 日本放射線腫瘍学会 放射線治療とは: https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/general-public/treatment/ ↩
- 日本医学物理学会 放射線治療品質管理学: https://www.jsmp.org/about/definition/ ↩
- 国立がん研究センター 先端医療開発センター: https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/epoc/index.html ↩