HEALTH WORDS / 用語解説
生体防御反応
Biological defense reaction
生体防御反応とは、生体が感染症や炎症、外傷、環境変化などの有害事変から自己の組織や恒常性を維持するために備えている、生体の総合的な適応反応システムである。1
生体防御反応は、異物の侵入や組織の損傷に対処するため、自然免疫および獲得免疫といった免疫系を中心として多層的に構成されている。2
生体の表面を覆う皮膚や粘膜は物理的・化学的なバリアとして機能し、病原体の体内への侵入を最初段階で阻止する役割を担っている。1
これらのバリアを突破して病原体や異物が体内に侵入した場合には、好中球やマクロファージなどの免疫細胞が遊走し、貪食作用や炎症性サイトカインの産生を介して排除にあたる。2
この初期反応は自然免疫系と呼ばれ、侵入した異物の抗原特異性によらず迅速に作動するのが特徴である。1
自然免疫による情報提示を受けることで、ヘルパーT細胞やキラーT細胞、B細胞などが活性化される獲得免疫系が誘導される。2
獲得免疫系では、特定の抗原に対する高い特異性と免疫記憶が形成され、同一の病原体が再侵入した際により強力かつ迅速な排除が可能となる。1
また、生体防御反応には免疫系の働きだけでなく、血液凝固系や補体システム、さらにはストレスに対する神経内分泌系の応答なども密接に関与している。2
これらの防御機構は生体のホメオスタシスを保つ上で不可欠であるが、過剰あるいは不適切な生体防御反応は、自己免疫疾患やアレルギー、敗血症などの重篤な病態を引き起こす原因ともなり得る。1