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HEALTH WORDS / 用語解説

自発痛

Spontaneous pain

自発痛とは、刺激や圧迫などの外的な要因がないにもかかわらず、身体の部位に自然に生じる痛みのことである。1

臨床医学や疼痛研究の分野において、自発痛は末梢神経や中枢神経の障害、あるいは炎症性病変などに起因して発生する重要な生体反応の一つとして位置づけられている。2

外部からの物理的刺激(触覚や温熱など)を伴わずに発生する点に大きな特徴があり、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させる要因となる。1

自発痛の発生機序には、痛覚受容器の感作や、神経線維における異所性発火、さらには中枢感作など複雑な病態生理学的メカニズムが関与していると考えられている。2

組織損傷や炎症が起きると、ブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が局所で遊離され、痛覚を伝える一次求心性神経の閾値が低下することで自発痛が引き起こされる。1

また、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害などの神経障害性疼痛においては、神経自体の損傷や変性によって異常インパルスが自発的に発生し、持続的な自発痛として知覚されるようになる。2

このタイプの自発痛は、しばしば「ズキズキする」「ピリピリする」「灼熱感がある」といった多様な感覚異常を伴うことが臨床的に知られている。1

自発痛の評価と診断にあたっては、患者自身による疼痛評価尺度(NRSやVASなど)を用いた主観的な痛みの強さの測定が行われるとともに、アロディニアや痛覚過敏といった他の疼痛症状との鑑別が重要となる。2

治療においては、原因となる原疾患の管理を基本としつつ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やオピオイド、さらに神経障害性疼痛に対してはプレガバリンなどの薬物療法が選択されることが多い。2

参考文献・出典

  1. 日本疼痛学会 疼痛用語解説: https://www.jspain.gr.jp/Glossary.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 厚生労働省 慢性疼痛診療ガイドライン: https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/25732 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5