HEALTH WORDS / 用語解説
良性
Benign
良性とは、腫瘍などの病変が、周囲の組織に浸潤したり他の臓器に転移したりする悪性の性質を示さないことを指す医学用語である。1 腫瘍の組織学的分類において、良性腫瘍は一般に増殖が緩徐であり、被膜に包まれていることが多い。2
良性病変の大きな特徴は、発生した部位にとどまり、周囲組織を圧排しながら発育する点にある。1 そのため、悪性腫瘍のように遠隔転移を来すことは基本的にない。2 しかし、発生する臓器や部位によっては、腫瘍が大きくなることで周辺の血管や神経、器官を圧迫し、さまざまな臨床症状や機能障害を引き起こす場合がある。1
病理組織学的な検査においては、細胞の異型度が低く、核分裂像が少ないことが良性腫瘍の典型的な所見とされる。2 また、手術などによって完全切除された場合、悪性腫瘍と異なり再発のリスクは非常に低いのが一般的である。1 ただし、一部の良性腫瘍においては、長期間の経過の中で悪性転換を起こす可能性が完全に否定できないものも存在する。2
臨床の現場では、画像診断や生検などを通じて、その病変が良性であるか悪性であるかを正確に鑑別することが、その後の治療方針を決定する上で極めて重要となる。1 良性と診断された疾患であっても、患者のQOL(生活の質)の維持や合併症の予防を目的として、経過観察が行われる場合や、必要に応じて外科治療が選択される場合がある。2