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HEALTH WORDS / 用語解説

蒼耳

Xanthium strumarium

蒼耳(そうじ)とは、キク科オナモミ属に分類される一年草、およびその生薬としての果実を指す植物由来の用語である。1

オナモミ属の植物は世界中に広く帰化植物として分布しており、日本国内においてはオナモミや外来種であるオオオナモミなどがこれに該当する。2

生薬としての蒼耳は、秋季に熟した総苞に包まれた果実を乾燥させたものであり、伝統的な漢方医学や生薬学において利用されてきた歴史がある。3

形態学的な特徴として、蒼耳の果実(総苞)は多数の鉤状の棘に覆われており、動物の体表や人の衣服に付着することによって種子を遠隔地へ散布する、いわゆる付着散布の仕組みを持つ構造をしている。4

化学的成分の観点からは、蒼耳の全草や果実にはカルボキシアトラクトレシドなどのジテルペン誘導体や、各種の配糖体、セスキテルペンラクトンなどの生理活性物質が含まれていることが化学分析によって明らかにされている。5

これらの成分の作用により、蒼耳には特有の毒性が認められており、特に家畜などが誤食した場合には中毒症状を引き起こす有毒植物としても知られている。6

薬理学的な研究においては、抗炎症作用や鎮痛作用に関する実験が行われてきた一方で、肝障害や腎障害をはじめとする重篤な副作用の発現リスクが指摘されている。7

そのため、現代の医療現場や薬事行政においては、その安全性および有効性の観点から厳格な管理が求められる対象となっており、安易な民間療法等での使用には十分な注意が必要とされる生物資源である。8

参考文献・出典

  1. 日本の薬用植物図鑑: https://www.nibiohn.go.jp/eiken/databases/kanpo/kanpo_ryo/o002.html ↩
  2. 植物図鑑: https://matsue-kusaki.com/kusaki/hama/sonota/onamomi.htm ↩
  3. 日本薬局方未収載医薬品等: https://www.pmda.go.jp/files/000153835.pdf ↩
  4. 生物多様性センター: https://www.biodic.go.jp/reports/2-2/w33.pdf ↩
  5. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/content/000547070.pdf ↩
  6. 農林水産省: https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/pdf/onamomi_syousai.pdf ↩
  7. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/osh/seibun/onamomi.pdf ↩
  8. 医薬品医療機器総合機構: https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html ↩