HEALTH WORDS / 用語解説
軸索誘導
Axon guidance
軸索誘導とは、神経細胞(ニューロン)の軸索が伸長する際、化学物質や物理的な手がかりを受容体で感知しながら、正確な標的細胞へと目的地まで導かれる分子生物学的および発生生物学的なプロセスである。1
発生期の神経系形成において、神経細胞は適切な相手とシナプスを形成するために、正確な配線を行わなければならない。2 軸索の先端には成長円錐と呼ばれる特殊な運動性構造が存在し、環境中のガイダンス分子と呼ばれる軸索誘導因子を検出して自身の進路を決定する。3
軸索誘導因子には、ネトリン、スリット、セマフォリン、エフリンなどの多様な分泌性タンパク質や膜結合型タンパク質が含まれる。2 これらの因子は、誘引作用(引き寄せる効果)あるいは反発作用(遠ざける効果)のどちらを及ぼすかによって、成長円錐の[[アクチン骨格]の重合や脱重合を調節し、軸索の伸長方向を制御する。4
また、軸索誘導の過程では、軸索が正中線を越えるか否かといった運命決定や、軸索の感度が途中で変化する制御機構(脱感作やシナプス前修飾など)が精緻に働いている。2 こうした分子的なシグナル伝達の異常は、神経回路の形成不全を引き起こし、様々な神経疾患や発達障害の原因となることが知られている。1
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902045610816003 ↩1 ↩2
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%BB%B8%E7%B4%A2%E5%B0%8E%E5%BC%95 ↩1 ↩2 ↩3
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%82%B2%E6%88%90%E5%86%86%E9%8C%90 ↩
- 脳科学辞典: https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%88%90%E9%95%B7%E5%86%86%E9%8C%90 ↩