HEALTH WORDS / 用語解説
12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート
12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate
12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート(TPA、またはホルボール-12-ミリスチン酸-13-アセテート、PMAとも呼ばれる)とは、植物由来の強力な腫瘍促進物質であり、生化学および細胞生物学の研究において汎用されるホルボールエステルの一種である。1
TPAは、トリオフィタム属などのトウダイグサ科植物に含まれるクロトン油の活性成分から単離されたジテルペン誘導体である。2
本物質の主要な分子標的は、プロテインキナーゼC(PKC)である。1
TPAは細胞膜上の受容体に作用してプロテインキナーゼCを直接的に活性化するため、細胞増殖、分化、アポトーシスなどの多様なシグナル伝達経路の研究において重要な実験ツールとして利用されている。2
発がん研究の分野においては、イニシエーションを受けた細胞に対してプロモーション作用を発揮し、腫瘍の形成を誘導する発がんプロモーターのプロトタイプとして広く知られている。1
また、免疫学や血液学の領域では、白血病細胞株などの分化誘導や、T細胞の活性化物質としても応用されている。2
一方で、TPAは強い皮膚刺激性や炎症誘導作用を有しており、取り扱いや実験室での使用に際しては厳重な安全管理が必要とされる危険有害物質である。2