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HEALTH WORDS / 用語解説

CX3CR

CX3C chemokine receptor

CX3CRとは、ケモカイン受容体ファミリーに属する膜蛋白質の一つであり、特にCX3CR1がよく知られている。1

CX3CRはGタンパク質共役受容体(GPCR)のスーパーファミリーに属する受容体であり、細胞膜上に発現してシグナル伝達に関与する。2

ヒトにおいて、この受容体に対応する唯一のリガンドとしてフラクタルカイン(CX3CL1)が知られており、両者が結合することで特異的な免疫反応や細胞間の接着が引き起こされる。3

CX3CR1は主に単球、マクロファージ、NK細胞、T細胞などの免疫細胞のほか、脳内のグリア細胞であるミクログリアなどに発現している。4

フラクタルカインとの結合により、免疫細胞の走化性(ケモタクシス)が誘導され、炎症部位や組織損傷部位への細胞の遊走が促進される。5

また、CX3CRとフラクタルカインの相互作用は、遊離した可溶型と膜結合型の双方が存在することにより、細胞間の強固な接着とシグナル伝達の両方を制御する特徴を持っている。6

近年の医学研究では、CX3CRシグナル伝達系が動脈硬化症やアルツハイマー病などの神経変性疾患、さらにはがんの転移や慢性炎症性疾患の病態形成において重要な役割を果たしていることが示されている。7

特に中枢神経系においては、ミクログリアに発現するCX3CR1が神経とグリア細胞のクロストークを仲介し、シナプスの剪定や脳の免疫応答において中心的な機能を担っていることが明らかにされている。8

さらに、心血管系においても血管内皮細胞や平滑筋細胞との関連が指摘されており、心筋梗塞後の修復過程や血管のリモデリングへの関与が研究されている。9

このようにCX3CRは、免疫系と神経系をはじめとする多様な生体システムをつなぐ分子として、多くの疾患の治療標的やバイオマーカーとしての可能性が検討されている。10

参考文献・出典

  1. KEGG PATHWAY: hsa04062 - Chemokine signaling pathway: https://www.kegg.jp/pathway/hsa04062 ↩
  2. IUPHAR/BPS Guide to Pharmacology: https://www.guidetopharmacology.org/GRAC/ReceptorFamilyDisplay?familyId=2 ↩
  3. National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/1524 ↩
  4. Localization of CX3CR1: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3025608/ ↩
  5. Journal of Immunology: https://www.jimmunol.org/content/186/6/3333 ↩
  6. Cellular and Molecular Life Sciences: https://link.springer.com/article/10.1007/s00018-011-0817-x ↩
  7. Nature Reviews Immunology: https://www.nature.com/articles/nri3140 ↩
  8. Science: https://www.science.org/doi/10.1126/science.1166092 ↩
  9. Circulation Research: https://www.ahajournals.org/journal/res ↩
  10. Pharmaceutics: https://www.mdpi.com/1999-4923/13/5/650 ↩