HEALTH WORDS / 用語解説
CXCR6
C-X-C chemokine receptor type 6
CXCR6とは、主としてT細胞やNK細胞などの免疫細胞の表面に発現するG蛋白連鎖型のケモカイン受容体である。1
CXCR6は、唯一のリガンドであるCXCL16と結合することで、細胞の遊走や炎症部位への浸潤を誘導する重要な生体防御機構に関与している。2
この受容体は、末梢血中の記憶T細胞や肝臓に常駐するNKT細胞などの特定のリンパ球サブセットに高頻度で発現しており、肝炎や自己免疫疾患などの病態において中心的役割を果たしている。3
また、CXCR6とそのリガンドであるCXCL16のシグナル伝達系は、炎症性疾患だけでなく、がんの転移や腫瘍微小環境の形成にも深く関与していることが近年の研究で明らかにされている。4
特に、前立腺がんや肝細胞がんなどの悪性腫瘍においては、CXCR6の発現が腫瘍細胞の浸潤性や患者の予後と相関することが示されており、新たな分子標的薬の標的分子としても期待を集めている。5
さらに、CXCR6はヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルスが宿主細胞へ侵入する際の副受容体の一つとしても機能することが知られており、感染症学の領域においても重要な研究対象となっている。6
参考文献・出典
- Nature Immunology: https://www.nature.com/articles/ni759 ↩
- Journal of Immunology: https://www.jimmunol.org/content/168/11/5440 ↩
- JCI Insight: https://insight.jci.org/articles/view/89562 ↩
- Cancer Research: https://cancerres.aacrjournals.org/content/68/9/3367 ↩
- Clinical Cancer Research: https://clincancerres.aacrjournals.org/content/14/6/1834 ↩
- Journal of Virology: https://jvi.asm.org/content/75/13/5790 ↩