HEALTH WORDS / 用語解説
IRF9
Interferon Regulatory Factor 9
IRF9とは、インターフェロン(IFN)シグナル伝達経路において重要な役割を果たし、ISGF3複合体の構成成分として転写活性を担うタンパク質および遺伝子である。1
IRF9はインターフェロン規制因子(IRF)ファミリーに属する転写因子の一つであり、ヒトではIRF9遺伝子にコードされている。1
ウイルス感染などの生体防御において、I型インターフェロン(IFN-alphaやIFN-betaなど)が細胞膜上の受容体に結合すると、JAK-STAT経路が活性化される。2
この活性化によってSTAT1およびSTAT2がリン酸化され、これらがIRF9と結合することで、三量体からなるISGF3(Interferon-Stimulated Gene Factor 3)複合体が形成される。2
形成されたISGF3複合体は細胞核内へと移行し、DNA上の特異的な配列であるISRE(Interferon-Stimulated Response Element)に結合する。3
これにより、数多くの抗ウイルス作用を持つISG(Interferon-Stimulated Genes)の転写が強力に誘導され、宿主の免疫応答や抗ウイルス状態の確立に寄与する。1
また、IRF9はSTAT1のホモ二量体と結合してISGF3非依存的な複合体を形成し、I型インターフェロン以外のシグナル伝達や特定の遺伝子発現にも関与することが知られている。3
近年の分子生物学および医学の研究においては、ウイルスに対する免疫逃避機構との関連や、自己免疫疾患、がん細胞の増殖やアポトーシス制御におけるIRF9の役割についても詳細な解析が進められている。1
参考文献・出典
- Genatlas: https://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=IRF9 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- KEGG PATHWAY: https://www.kegg.jp/pathway/hsa04630 ↩1 ↩2
- InterPro: https://www.ebi.ac.uk/interpro/protein/UniProt/Q00978/ ↩1 ↩2