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HEALTH WORDS / 用語解説

STAT経路

STAT signaling pathway

STAT経路とは、サイトカインや成長因子などの細胞外シグナルを受容した細胞において、細胞膜から核内へ情報伝達を行い標的遺伝子の転写を直接誘導する、主要なシグナル伝達経路の一つである。12

STAT経路はJanusキナーゼ(JAK)ファミリーとSTAT(Signal Transducer and Activator of Transcription)タンパク質ファミリーを主軸として構成されているため、一般にJAK-STAT経路とも称される。13

この経路のシグナル伝達は、リガンドである特定のサイトカインやホルモンが、細胞膜上に存在する受容体(サイトカイン受容体など)に結合することから開始される。14

リガンドの結合に伴い受容体の構造変化が生じ、受容体に非共有結合的に会合しているJAKが活性化される。14

活性化したJAKは、自身および受容体の細胞質ドメインにある特定のチロシン残基をリン酸化する。14

このリン酸化されたチロシン残基は、STATタンパク質の持つSH2ドメインに対する結合部位として機能する。14

細胞質に存在していた不活性型のSTATは、受容体のリン酸化チロシン部位にリクルートされると、JAKによってSTAT自身のチロシン残基がリン酸化を受ける。14

チロシンリン酸化を受けたSTAT分子は、互いのSH2ドメインとリン酸化チロシンを介してホモ二量体あるいはヘテロ二量体を形成する。14

二量体を形成したSTATは受容体から解離し、核膜孔を経て細胞質から核内へと移行する。14

核内に移行したSTAT二量体は、特定のDNA塩基配列(ガンマ活性化サイト配列:GAS配列など)を認識して標的遺伝子のプロモーター領域に結合する。14

これにより、免疫応答、細胞増殖、細胞分化、アポトーシスの調節などに関与するさまざまな遺伝子の転写制御を行う。13

哺乳類においては、STATファミリーとしてSTAT1、STAT2、STAT3、STAT4、STAT5A、STAT5B、STAT6といった複数のアイソフォームが同定されており、それぞれ異なる受容体シグナルや組織特異的な生理機能を担っている。14

例えば、STAT1やSTAT2は主にインターフェロンシグナルを介した抗ウイルス応答に深く関与している一方で、STAT3は細胞の生存や炎症反応、発がん過程において重要な役割を果たしている。((KEGG PATHWAY: hsa04630: Jak-STAT signaling pathway - Homo sapiens (human): https://www.genome.jp/path

参考文献・出典

  1. KEGG PATHWAY: hsa04630: Jak-STAT signaling pathway - Homo sapiens (human): https://www.genome.jp/pathway/hsa04630 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12
  2. NCI Thesaurus: STAT Signaling Pathway: https://evs.nci.nih.gov/ftp1/CDISC/SDTM/ST%20Terminology.listg.gov/ftp1/CDISC/SDTM/ST%20Terminology.list ↩
  3. NCI Thesaurus: STAT Signaling Pathway: https://evs.nci.nih.gov/ftp1/CDISC/SDTM/ST%20Terminology.list ↩1 ↩2
  4. 京大 医: JAK/STATシグナル伝達経路: https://www.koto.kpu-m.ac.jp/~m-path/igaku/jakstat.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9