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HEALTH WORDS / 用語解説

TER

TERとは、トランスポゾン(トランスポゾンプラスミドなどの可動遺伝因子)やレトロウイルスの複製・転写・組換えなどの生化学的な反応や生命科学の研究分野において用いられる終結領域(ターミネーター)や、医学・生理学における内皮関連の受容体、あるいは特定の医学用語の略称として文脈により多様に定義される専門用語である。12

分子生物学および遺伝学の領域において、TERはDNAの転写プロセスを終了させる塩基配列であるターミネーター(Terminator)の略称として広く認知されている。21 転写の終結は、RNAポリメラーゼがDNAテンプレート上の特定の塩基配列を認識し、合成されたmRNAなどのRNA鎖を遊離させて転写複合体を解離させる一連の生体反応である。21 この終結機構にはタンパク質因子を必要としないρ独立型ターミネーターと、ロー因子(ρ因子)が関与するρ依存型ターミネーターが存在し、遺伝子発現の正確な制御において極めて重要な役割を担っている。21

また、分子生物学の別の文脈においては、TERはテロメア(Telomere)の維持や伸長に深く関与する酵素であるテロメラーゼ(Telomerase)のRNA成分(Telomerase RNA component)を指すこともある。21 テロメアは真核生物の染色体の末端に位置し、細胞分裂に伴う遺伝情報の欠損を防ぐ構造であるが、体細胞では分裂のたびに短縮していく。21 これに対し、テロメラーゼはRNAを鋳型としてDNAを合成する逆転写酵素としての活性を持ち、染色体末端の保護と細胞の寿命、ひいては癌化や老化のメカニズムを解明する上で中心的な研究対象となっている。21

さらに、医学や薬理学の分野では、TERという頭文字は内皮関連の受容体や組織学的な指標、あるいは臨床試験や疫学調査における特定の評価基準の略語として使用される場合がある。12 血管の内皮細胞は血流の制御や血管新生、免疫反応の調節など多彩な生理機能を有しており、これらに関連する受容体やシグナル伝達物質の解析は、動脈硬化症や高血圧などの循環器疾患の予防や治療薬の開発に直結している。12

このようにTERという用語は、基礎生物学における遺伝子発現の終結点から、染色体の安定性を保つ分子機構、さらには臨床医学に至るまで幅広い領域で用いられており、それぞれの専門分野における正確な文脈を把握して解釈することが求められる。12

参考文献・出典

  1. 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10