HEALTH WORDS / 用語解説
ロッキー山紅斑熱
Rocky Mountain spotted fever
ロッキー山紅斑熱とは、リケッチア属の細菌の一種であるリケッチア・リケッチイー(Rickettsia rickettsii)によって引き起こされる重篤な感染症である。1
本疾患は主にマダニ類によって媒介され、ペルオキシダーゼなどを介した酸化ストレスや血管内皮細胞の障害を特徴とする。2
ロッキー山紅斑熱の主な症状としては、急激な高熱、激しい頭痛、筋肉痛、悪寒、そして特徴的な発疹が挙げられる。1
発疹は通常、感染後2日から6日目にかけて現れ始め、多くの場合手首や足首などの末端部分から体幹部へ向かって広がる特性を持つが、病初期には発疹が見られないことも少なくない。2
適切な治療が行われない場合、ロッキー山紅斑熱は脳、心臓、肺などの主要な臓器に障害を引き起こし、多臓器不全や死亡に至る危険性が非常に高い疾患である。1
診断においては、詳細な臨床症状の観察に加えて、マダニへの接触歴や流行地域への渡航歴の確認が極めて重要となる。1
また、血清学的検査や遺伝子検査(PCR法)なども診断の確定のために用いられることがある。2
治療にはテトラサイクリン系の抗菌薬、特にドキシサイクリンが第一選択薬として用いられ、重症化を防ぐためには症状が現れた初期段階から速やかに投与を開始することが強く推奨される。2
予防のためのワクチンは現在存在しないため、流行地域の森林や草地に入る際には、肌の露出を控える服装を心掛けたり、昆虫忌避剤(DEETなど)を使用したりしてマダニの叮咬を防ぐことが最善の予防対策となる。1