HEALTH WORDS / 用語解説
三黄瀉心湯
三黄瀉心湯とは、中国の古典医学書である『金匱要略』および『傷寒論』に収載されている漢方薬(方剤)の一つであり、主として体力が充実してのぼせ傾向がある人の胃炎、高血圧の伴う症状、鼻血、便秘、精神不安などの諸症状に用いられる瀉下薬である。1 2
構成生薬としては、黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、大黄(ダイオウ)の3種類の生薬が配合されており、いずれも「苦寒薬」に分類され身体の熱を冷まし炎症を鎮める作用を持つ。1 3
薬理学的な研究においては、構成生薬に含まれるベルベリンやバイカリン、センノシドなどの有効成分により、抗炎症作用、抗菌作用、胃酸分泌抑制作用、および大黄に由来する下剤としての腸管運動促進作用などが示されている。1 4
臨床的には、充血を伴う熱感やイライラ感といった「気の逆上」を鎮める目的で用いられることが多く、現代医学における消化性潰瘍の出血傾向や高血圧症に伴う頭痛、肩こり、不眠症などに対しても応用されることがある。1 2
使用上の注意点として、大黄が含まれているため下痢や腹痛などの副作用が起こる場合があり、特に妊婦または妊娠している可能性のある女性においては子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血を惹起するおそれがあるため慎重投与または禁忌とされることが多い。1 2
参考文献・出典
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 添付文書情報: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/490100_5200021D1037_1_02 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 厚生労働省 一般用漢方製剤承認基準: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/iyaku/yakushi/ippan/000628-1.html ↩1 ↩2 ↩3
- 日本東洋医学会 漢方用語解説: https://www.jsom.or.jp/medical/kouhou/yougo/ ↩
- 国立国会図書館サーチ(医薬学関連論文情報): https://ndlsearch.ndl.go.jp/ ↩