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HEALTH WORDS / 用語解説

腸管膜リンパ節

Mesenteric lymph node

腸管膜リンパ節とは、小腸や大腸などの消化管を支える腸管膜の内部に位置し、免疫応答において重要な役割を果たしているリンパ節の総称である。1 人体において最大のリンパ節群の一つであり、腹部の血管周囲や腸管膜の根元に多数存在している。2

組織学的には、被膜に包まれた構造をなし、皮質、傍皮質、髄質の各領域に分かれている。3 輸入リンパ管を通じて腸管周辺の組織液やリンパ液が流入し、濾過される仕組みを持っている。4 リンパ液がリンパ節を通過する過程で、腸管から侵入した細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体や異物がマクロファージなどの貪食細胞によって捕捉・処理される。5

また、腸管膜リンパ節は粘膜免疫システムにおいて中心的な機能を持つ二次リンパ器官である。6 腸管のパイエル板などで抗原の刺激を受けたT細胞やB細胞などの免疫細胞が流入し、活性化や分化が行われる場となっている。7 ここで活性化されたリンパ球は、胸管を経て全身の血液循環に入った後、再び腸管の粘膜固有層へと遊走して免疫応答を遂行する特性を持つ。8

臨床医学においては、感染症や炎症に伴う腫脹がしばしば超音波検査やCT検査などの画像診断で認められる。9 特に小児や若年者において、上気道炎や腸炎などに続発して腹部の右下腹部などに位置する腸管膜リンパ節が腫大し、腹痛を引き起こす病態は急性腸間膜リンパ節炎と呼ばれ、急性虫垂炎との鑑別が重要となる。1 さらに、クローン病などの炎症性腸疾患や、悪性リンパ腫、転移性がんなどの腫瘍性疾患においても、本領域の病変や腫脹が診断の重要な指標とされる。10

参考文献・出典

  1. 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩1 ↩2
  2. 慶應医学: https://www.lib.keio.ac.jp/ ↩
  3. 日本人体解剖学: https://www.nanzando.com/ ↩
  4. 標準生理学: https://www.gakken.co.jp/ ↩
  5. カラー図説 人体の構造と機能: https://www.shoin.co.jp/ ↩
  6. 免疫学イラストレイテッド: https://www.nanzando.com/ ↩
  7. 基礎免疫学: https://www.elsevier.com/ ↩
  8. プログレス免疫学: https://www.nakayama-shoten.co.jp/ ↩
  9. 今日の臨床検査: https://www.nanzando.com/ ↩
  10. 今日の治療指針: https://www.igaku-shoin.co.jp/ ↩