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HEALTH WORDS / 用語解説

視神経脊髄炎スペクトラム障害

Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder

視神経脊髄炎スペクトラム障害とは、中枢神経系、特に視神経と脊髄を主要な標的とする自己免疫疾患の一つである。1 かつては多発性硬化症の亜型と考えられていたが、現在では免疫学的および病理学的に異なる独立した疾患として分類されている。1

本疾患の最大の特徴は、患者の血清中にアストロサイトの細胞膜上に存在する水チャネルであるアクアポリン4に対する自己抗体(AQP4抗体)が検出されることである。1 このAQP4抗体が中枢神経系のアストロサイトに結合することで補体が活性化され、炎症と細胞傷害を引き起こす病態が形成される。1

臨床的には、激しい視力低下や視野障害をもたらす視神経炎と、運動麻痺、感覚障害、膀胱直腸障害などを引き起こす横断性脊髄炎が繰り返されることが特徴である。2 特に脊髄病変においては、矢状断像で3椎体以上の連続する病変(広範脊髄病変)が認められることが診断上の重要な所見となる。1 脳幹などに病変が及んだ場合には、しゃっくりや嘔吐が持続する最後野症候群などの多彩な神経症状を呈することもある。2

診断においては、臨床症状の評価に加え、頭部および脊髄のMRI検査による画像診断、血清中のAQP4抗体測定が極めて重要となる。1 従来の多発性硬化症の診断基準とは異なる独自の基準が用いられ、抗体陰性の症例においても特定の臨床所見と画像所見を満たすことで診断される場合がある。2

治療としては、急性期の神経障害の悪化を防ぎ、後遺症を最小限に抑えるために副腎皮質ステロイドのパルス療法や血漿交換療法が行われる。1 また、本疾患は再発率が高く、再発を繰り返すことで障害が蓄積していくため、寛解維持と再発予防を目的とした免疫抑制療法や分子標的薬を用いた治療が継続的に行われる。2

参考文献・出典

  1. 難病情報センター: https://www.nanbyo.or.jp/wp-content/uploads/upload-files/NMOSD.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 厚生労働省 難治性疾患等政策研究事業: https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/191001/2019I02001_b.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4