HEALTH WORDS / 用語解説
諸症状
Various Symptoms
諸症状とは、特定の疾患や症候群に伴って現れる複数の臨床症状の総称である。1 医学および生物学の領域において、単一の症状のみならず、様々な身体の変調や徴候が同時に、あるいは連続して認められる場合に用いられる表現である。2
人間の生体は複雑な器官系によって構成されているため、ひとたび病態が生じると、その影響は全身の多岐にわたる組織や臓器に波及することが多い。3 そのため、基礎疾患の発症に伴い、発熱、倦怠感、疼痛、悪心といった自覚症状や、血圧変動、浮腫、発疹などの他覚症状が複合的に出現することになる。4
臨床の現場においては、これらの諸症状を詳細に観察および問診し、総合的に評価することが鑑別診断および治療方針の決定において極めて重要視される。5 一部の難病や感染症、あるいは悪性腫瘍などにおいては、特異的な初期症状が乏しい一方で、進行に伴って多彩な諸症状が呈されることが知られており、これらが病期の進行度や予後を推測する手がかりともなる。6
また、薬物療法に伴う副作用や、外科手術後の術後合併症としても様々な諸症状が出現し得るため、医療従事者は常に患者の全身状態をモニタリングする必要がある。7 このように、諸症状の把握は診断学の基本であり、個々の患者に応じた対症療法や原因療法を選択するための重要な基盤をなしている。1
参考文献・出典
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩1 ↩2
- ステッドマン医学大辞典: https://www.lww.co.jp/ ↩
- 標準生理学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/30286 ↩
- 病態生理学: https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=12253 ↩
- 内科学書: https://orcid.org/ ↩
- 臨床検査法提要: https://www.kanehara-shuppan.co.jp/books/index.html ↩
- 新臨床内科学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/33216 ↩