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HEALTH WORDS / 用語解説

AP-2

AP-2とは、真核細胞における細胞内小胞輸送、特にクラスリン被覆小胞の形成に関与する主要なタンパク質複合体であるアダプタータンパク質複合体の一種である。1

AP-2複合体は、細胞膜表面からのエンドサイトーシス(取り込み)において中心的な役割を果たしている。2

構造的には、AP-2は4つの異なるサブユニット、すなわちアルファサブユニット|αサブユニット、ベータ2サブユニット|β2サブユニット、ミュー2サブユニット|μ2サブユニット、およびシグマ2サブユニット|σ2サブユニットから構成されるヘテロテトラマーである。3

それぞれのサブユニットは固有の機能を持っており、クラスリンの参画や細胞膜上のホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸|PIP2、さらには膜タンパク質が持つ特定のシグナル配列(チロシンモチーフやジロイシンモチーフなど)を認識して結合する。4

これにより、細胞外からの受容体や栄養素などの分子を選択的に細胞内へ取り込むための小胞が効率よく形成される。1

また、AP-2は細胞の運動性やシグナル伝達、神経伝達物質の放出といった多様な生命現象においても不可欠な存在として知られている。2

近年の分子生物学や細胞生物学の発展により、AP-2の構造生物学的な解析が進められており、X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡を用いた詳細な立体構造の解明が行われている。4

これにより、タンパク質同士の相互作用のメカニズムや、エンドサイトーシスがどのように空間的および時間的に制御されているのかが明らかになりつつある。3

医学および薬学の分野においても、AP-2を介した経路はウイルスや毒素の細胞内侵入経路として利用されることが多いため、感染症の予防や治療薬の開発ターゲットとしても注目を集めている。1

参考文献・出典

  1. 日本生化学会: https://www.jbsoc.or.jp/seikagaku/data/2014/86-06/8606-07.pdf ↩1 ↩2 ↩3
  2. 大阪大学: https://www.dent.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2016/10/biochem_2016_text1.pdf ↩1 ↩2
  3. 国立情報学研究所: https://ci.nii.ac.jp/naid/110007621422 ↩1 ↩2
  4. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/52/6/52_305/_pdf ↩1 ↩2