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HEALTH WORDS / 用語解説

APOBEC3D

APOBEC3D

APOBEC3Dとは、ヒトを含む哺乳動物のゲノムに存在するAPOBEC3遺伝子ファミリーにコードされる酵素であり、主としてウイルスの複製を抑制する宿主防御機構に関与するサイトカイン誘導性のDNAシトシンデアミナーゼファミリーの一つである。12

APOBEC3D遺伝子は、ヒトの第22染色体上に位置しており、APOBEC3ファミリーの他のメンバー(APOBEC3A、3B、3C、3F、3G、3Hなど)と同様に、自然免疫系において重要な役割を果たす抗ウイルス因子を産生する。13

この酵素の主要な生化学的機能は、一本鎖DNA上のシトシン(C)をウラシル(U)へと脱アミノ酸化する反応を触媒することである。2

このシトシンデアミナーゼとしての活性により、レトロウイルスや内因性レトロトランスポゾンの逆転写過程において過剰な変異を導入し、ウイルスのゲノムを破壊することでその増殖を阻害する。12

特にヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)などのレンチウイルスに対する防御機構において、APOBEC3GやAPOBEC3Fなどとともに研究が進められており、APOBEC3DもHIV-1のVif(viral infectivity factor)タンパク質によるプロテアソーム依存的な分解の標的となることが知られている。12

さらに、宿主のDNAに対する変異の引き金となり、がん細胞のゲノム不安定性や腫瘍の進化に寄与するAPOBEC変異シグネチャーの原因酵素の一つとしても、その分子生物学的および臨床医学的な意義が解析されている。12

参考文献・出典

  1. NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/80940 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/Q9EB05 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  3. Ensembl: https://www.ensembl.org/Homo_sapiens/Gene/Summary?g=ENSG00000244405 ↩