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HEALTH WORDS / 用語解説

CD82

CD82とは、細胞表面に発現する糖タンパク質の一種であり、テトラスパニンファミリーに属する分子である。1 かつては前立腺癌の転移を抑制する遺伝子の産物として発見され、KAI1とも称される。2

テトラスパニンファミリーは4回膜貫通領域を持つ特徴的な構造を有しており、細胞膜上においてインテグリンなどの様々な膜受容体やシグナル伝達分子と複合体を形成する。1 これにより、細胞の接着、運動性、増殖、および分化といった多様な細胞生物学的プロセスの制御に関与している。2

悪性腫瘍の分野において、CD82は強力な転移抑制因子として広く知られている。2 多くの種類の癌細胞において、CD82の発現低下あるいは消失が浸潤能や転移能の亢進、さらには予後不良と相関することが示されている。1 これは、CD82が腫瘍細胞の血管外遊出や細胞外基質との相互作用を阻害する機能を持つためであると考えられている。2

また、CD82は免疫系の細胞においても重要な役割を果たしている。T細胞などの免疫細胞の表面にも発現しており、免疫シナプスの形成や抗原提示の効率化、さらにはリンパ球の活性化や共刺激シグナルの調節に関与することが明らかにされている。1 このように、CD82は腫瘍学や免疫学の領域において極めて重要な生体分子の一つである。2

参考文献・出典

  1. National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/3732 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. National Library of Medicine: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8621064/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5