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HEALTH WORDS / 用語解説

Fra-a1

Fra-a1とは、主としてマメ科の植物であるラッカセイ(落花生)に含まれる主要なアレルゲン蛋白質であり、アナフィラキシーを含む重篤な食物アレルギーを引き起こす原因物質の一つとして知られている。1

ラッカセイは世界中で広く食されている農作物であるが、その一方でアレルギー疾患の原因食物としても非常に重要視されている。 アレルギー反応を引き起こす原因となる蛋白質は複数特定されており、これまでにAra h 1からAra h 17に至るまで多くのアレルゲンが同定されている。 その中でもFra-a1は、植物の生体防御やストレス応答に関与するファミリーに属する成分であり、患者の免疫系によって抗原として認識されることでIgE抗体の産生を誘導する。2

免疫グロブリンE(IgE)が関与するI型アレルギー反応において、アレルゲンがマスト細胞や好塩基球の表面に結合したIgE抗体と架橋を形成すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質が脱顆粒によって放出される。 これにより、じんましん、血管浮腫、呼吸困難、さらには血圧低下を伴うアナフィラキシーショックといった臨床症状が引き起こされる機序が存在する。 ラッカセイ由来のアレルゲンは熱や消化酵素に対して比較的安定である性質を持つことが多く、調理加工された食品であってもアレルギー活性が保持されやすいという特徴が指摘されている。3

医療および食品安全の領域においては、食物アレルギー患者におけるアナフィラキシー発症リスクを管理・低減するため、アレルゲンコンポーネント解析を用いた精密な診断手法の研究が進められている。 個々の患者がどの蛋白質に対して感作されているかを特定することは、アレルギー症状の重症度予測や、経口免疫療法などの新規治療法の適応判断において極めて重要な意義を持っている。 また、食品表示制度の厳格化や、意図しないアレルゲンの混入を防ぐための交差汚染対策など、公衆衛生学的な観点からも詳細な分子学的情報の蓄積と活用が続けられている。4

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201302241617467657 ↩
  2. CiNii Research: https://cir.nii.ac.jp/crid/1520290882375837696 ↩
  3. 国立医薬品食品衛生研究所: https://www.nihs.go.jp/ods/food/allergen/pdf/allergen-h18-05.pdf ↩
  4. 消費者庁: https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/ ↩