HEALTH WORDS / 用語解説
P2Y2
P2Y2とは、細胞膜表面に存在するP2Y受容体ファミリーに属するGタンパク質共役受容体の一種であり、主としてATPやUTPをリガンドとして結合し活性化される受容体である。1 P2Y2受容体は、ヒトゲノムにおいてP2RY2遺伝子によってコードされているタンパク質である。2
P2Y2受容体は、細胞外のヌクレオチドであるATPやUTPに対して高い親和性を示す特徴を持っている。3 この受容体がリガンドの結合によって活性化されると、主にGq/11と呼ばれるGタンパク質を介してホスホリパーゼC(PLC)経路を刺激する。4 これにより、細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇や、プロテインキナーゼC(PKC)の活性化といった細胞内シグナル伝達が引き起こされる。1
P2Y2受容体は、全身の様々な組織や臓器に広く発現していることが知られている。2 特に、呼吸器系の気道上皮細胞、眼の結膜や角膜、腎臓、血管の内皮細胞などで豊富に発現が確認されている。4 呼吸器においては、P2Y2受容体の刺激が気道表面の液分泌や線毛運動を促進し、粘液の排泄機構に重要な役割を果たしている。1 また、眼科領域においても、結膜からのムチンや水分の分泌を促すことで涙液の安定化に関与している。3
このように、P2Y2は生理的な水分代謝や分泌作用の調節において中心的な役割を担う受容体であり、呼吸器疾患やドライアイなどの治療薬における標的分子としても注目されている。1 創薬の分野では、このP2Y2受容体を特異的に刺激するアゴニストの開発が進められており、臨床応用に向けた研究が行われている。2
参考文献・出典
- PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/protein/P41231 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- National Center for Biotechnology Information (NCBI): https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2928 ↩1 ↩2 ↩3
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/P41231/entry ↩1 ↩2
- PharmGKB: https://www.pharmgkb.org/pathway/PA165955112 ↩1 ↩2