HEALTH WORDS / 用語解説
STAT5B
Signal transducer and activator of transcription 5B
STAT5B遺伝子はヒトの染色体上の17q21.2に位置しており、成長ホルモンやプロラクチン、各種のサイトカインといったホルモン刺激に応答して活性化される。1
細胞外からのシグナルが受容体に結合すると、受容体に結合しているJAKキナーゼによってSTAT5Bがリン酸化される。2
リン酸化されたSTAT5Bは二量体を形成し、細胞質から核内へと移行して特定のDNA配列に結合し、標的遺伝子の転写を促進または抑制する。3
STAT5Bは免疫系の細胞の分化や増殖、機能維持において重要な役割を果たしており、特にT細胞やNK細胞などのリンパ球の免疫応答に深く関与している。4
また、肝臓における成長ホルモンのシグナル伝達を介してインスリン様成長因子-1(IGF-1)の産生を調節するなど、個体の成長や代謝の制御にも不可欠な因子である。5
ヒトにおいてSTAT5B遺伝子の変異や機能欠損が生じると、成長ホルモンに対する不応症を引き起こし、重度の低身長や免疫不全、肺の疾患などの臨床的特徴を伴う遺伝性疾患の原因となることが知られている。6
さらに、近年の癌研究においては、STAT5Bの異常活性化が特定の白血病やリンパ腫などの悪性腫瘍の発症や進展に関与していることが示されており、創薬の標的としても注目を集めている。7
参考文献・出典
- Genatlas: http://www.genatlas.org/ ↩
- 京都大学 医の知:医学用語解説: https://www.kufm.kyoto-u.ac.jp/medinfo/ ↩
- KEGG PATHWAY: https://www.kegg.jp/kegg/pathway.html ↩
- 日本生化学会: http://www.jbsoc.or.jp/ ↩
- 国立情報学研究所: https://ci.nii.ac.jp/ ↩
- NIBIOHN 医薬基盤・健康・栄養研究所: https://www.nibiohn.go.jp/ ↩
- 国立がん研究センター: https://www.ncc.go.jp/ ↩