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HEALTH WORDS / 用語解説

TIE2

TIE2とは、主に血管の内皮細胞に発現し、血管の構造維持や安定化、新生の制御において中心的な役割を果たす受容体型チロシンキナーゼの一種である。1

TIE2は細胞膜上に存在する受容体であり、リガンドと呼ばれる特定のタンパク質が結合することで活性化される。1

TIE2に対するリガンドとしては、血管新生を促進するアンジオポエチン-1(Ang-1)やアンジオポエチン-2(Ang-2)などが知られている。1

アンジオポエチン-1が内皮細胞上のTIE2に結合してこれを活性化させると、血管壁を構成する細胞同士の接着が強まり、血管の安定化や成熟が促される。1

これにより血管の透過性が適切に保たれ、血液成分の漏出や不要な炎症の拡大が防がれる仕組みになっている。1

一方で、アンジオポエチン-2はTIE2に対してアンタゴニストとして作用することが多く、アンジオポエチン-1によるTIE2の活性化を競合的に阻害することで血管の不安定化を引き起こす。1

このようにTIE2を軸としたシグナル伝達のバランスは、血管の正常性を保つうえで極めて重要な生体機構を形作っている。1

近年の医学および薬学の研究では、TIE2の機能低下や異常がさまざまな疾患の病態に関与していることが明らかにされてきた。2

特に糖尿病性網膜症やがんにおける腫瘍血管の異常な新生、さらには敗血症時における血管からの液体漏出などにおいて、TIE2を標的とした治療薬の開発が進められている。2

TIE2の活性を人工的に高める化合物や抗体を用いることで、血管の構造を修復し機能を回復させるアプローチが、新たな治療戦略として期待されている。2

参考文献・出典

  1. 独立行政法人科学技術振興機構: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20150609/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7
  2. 国立研究開発法人日本医療研究開発機構: https://www.amed.go.jp/news/release_20210408.html ↩1 ↩2 ↩3