HEALTH WORDS / 用語解説
UGT1A3
UGT1A3とは、ヒトの肝臓や消化管などの組織に発現し、様々な内因性物質や薬物のグルクロン酸抱合を触媒するUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)ファミリーの主要なアイソザイムの一つである。1 UGT1A3はUGT1A遺伝子クラスターに位置し、他のUGT1Aファミリーメンバーと同様にエクソンの共有と選択的スプライシングによって多様なタンパク質を生成する遺伝子群の一部としてコードされている。2
UGT1A3の主な生化学的機能は、親油性を持つ多様な基質に対して糖質であるグルクロン酸を転移させる抱合反応を行うことである。1 この酵素反応を通じて、胆汁酸やステロイドホルモンなどの内因性物質の代謝および不活化において重要な役割を果たしている。2 さらに、UGT1A3は臨床的に使用される多くの経口薬や脂質異常症治療薬などのxenobiotics(外因性物質)の代謝酵素としても機能することが知られており、薬物動態に大きな影響を与える。3
ヒト体内におけるUGT1A3の発現量は組織特異性を示し、特に小腸および肝臓で顕著に認められる。2 消化管におけるUGT1A3の発現は、経口投与された医薬品が全身循環血へと移行する前の初回通過効果における薬物代謝に寄与している。3 そのため、UGT1A3の酵素活性の変動や遺伝子多型の存在は、個体間における薬効や副作用の差異、さらには薬物相互作用を引き起こす要因となる場合がある。3
近年の分子生物学および薬理学の研究において、UGT1A3をはじめとするUGTファミリーの転写調節や発現制御メカニズムの解明が進められている。1 特定の核内受容体を介したシグナル伝達経路によってUGT1A3の遺伝子発現が誘導されることが示されており、薬物耐性や毒性発現の予測においてその重要性が認識されている。3
参考文献・出典
- 遺伝子医学 5巻1号: https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1413100224 ↩1 ↩2 ↩3
- NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/54579 ↩1 ↩2 ↩3
- PharmGKB: https://www.pharmgkb.org/gene/PA134868472 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4