HEALTH WORDS / 用語解説
アクアポリン9
Aquaporin-9
アクアポリン9とは、主に肝臓や白血球などの細胞膜に発現し、水だけでなくグリセロールなどの小さな非荷電性分子や尿素などを選択的に透過させるチャネル蛋白質である。1
アクアポリンファミリーに属する膜蛋白質の一つであり、他の多くのアクアポリンが水分子のみを主に対象とするのに対し、アクアポリン9はグリセロールやモノカルボン酸、プリン、ピリミジンなどの広範な基質を透過させるアックアグリセロポリン(Aquaglyceroporin)に分類される。2
ヒトにおいては主に肝臓の実質細胞の細胞膜に多く局在しており、糖新生の基質となるグリセロールの細胞内取り込みにおいて中心的な役割を果たしている。2
また、肝臓以外にも白血球、中枢神経系のアストロサイト、精巣、小腸など多様な組織や細胞で発現が確認されている。2
免疫系においては好中球や単球などの白血球に存在し、細胞の遊走や炎症反応の調節に関与していることが示唆されている。2
エネルギー代謝の観点からは、絶食時や運動時における肝臓でのグリセロール代謝経路を支える重要な因子であり、全身のエネルギーバランスや血糖値の維持に寄与している。2
さらに、アクアポリン9の遺伝子発現や機能異常は、肥大性心筋症、2型糖尿病、インスリン抵抗性、さらには脳虚血などの様々な病態との関連が研究されている。2
参考文献・出典
- PDB-101: https://pdb101.rcsb.org/motm/175 ↩
- American Journal of Physiology-Cell Physiology: https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpcell.00288.2004 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6